【2025年版】中東(UAE・サウジ)関連の投資信託3選|脱炭素と観光開発に注目

2025年の投資テーマとして、静かに注目を集めているのが「中東(UAE・サウジアラビア)」です。
これまで石油依存のイメージが強かった中東諸国ですが、近年では脱炭素・観光・ハイテク産業など、多様な経済への転換が進んでおり、成長市場として見逃せない存在となっています。
本記事では、中東の成長を取り込める投資信託を3本厳選して紹介します。地政学リスクも意識しつつ、なぜ今「中東ファンド」に注目すべきか、その背景や展望についても解説していきます。

中東に投資してない方は是非参考にしてください!
なぜ中東(UAE・サウジ)が注目されているのか?

脱炭素に向けた国家プロジェクト
サウジアラビアは「ビジョン2030」という国家改革計画を掲げ、石油依存からの脱却を目指しています。その一環として、NEOM(ネオム)構想と呼ばれる未来型都市プロジェクトを進めており、再生可能エネルギー、自動運転、AI都市などの開発が進行中です。
UAE(アラブ首長国連邦)も同様に、グリーン水素開発やカーボンニュートラル計画に注力しており、世界からのESG投資マネーの流入も期待されています。
観光・エンタメ分野の積極拡大
中東では、これまでタブーとされていた観光やエンタメ分野にも国家主導で投資が進められています。UAEはドバイ万博を成功させた実績があり、サウジはF1、ゴルフ、サッカー選手の獲得など、スポーツツーリズムや文化産業に積極的です。
原油収入による潤沢な政府資金
原油価格が高止まりしている今、これらの国々には国家ファンド(ソブリン・ウエルス・ファンド)を通じて潤沢な資金があります。これにより、インフラ整備・教育・ハイテクなど、国内投資も非常に積極的です。
中東投資ができる注目の投資信託3選
アムンディ・アラブ株式ファンド(楽天証券)
概要:
楽天証券で購入可能な、アムンディが運用するアラブ諸国特化型の株式ファンド。サウジアラビア、UAE、カタールなどGCC加盟国の企業に投資。
主な特徴:
- 建設・金融・通信など、成長産業が中心
- 世界最大の原油輸出国であるサウジの企業にも多数投資
- 米ドル建て、為替ヘッジなしで中長期向き
注目ポイント:
このファンドは中東における「ポスト石油」経済の担い手にフォーカスしており、特にNEOM関連の建設企業やインフラ開発銘柄が多く含まれています。エネルギー以外の分野で成長を続ける中東の実情を反映した構成になっています。
■組み入れ上位10銘柄
銘柄 | 国 | 比率 |
---|---|---|
AL RAJHI BANK | サウジアラビア | 8.7% |
THE SAUDI NATIONAL BANK | サウジアラビア | 6.9% |
ALINMA BANK | サウジアラビア | 4.9% |
KUWAIT FINANCE HOUSE | クウェート | 3.4% |
ELM COMPANY | サウジアラビア | 3.3% |
EMAAR PROPERTIES REIT | アラブ首長国連邦 | 3.2% |
NATIONAL BANK OF KUWAIT | クウェート | 3.1% |
SAVOLA | サウジアラビア | 2.8% |
CO FOR COOP INS | サウジアラビア | 2.7% |
SAUDI BASIC INDUSTRIES CORP | サウジアラビア | 2.4% |
中東・北アフリカ/アジア株式ファンド(野村アセット)
概要:
野村アセットが提供する、新興国分散型ファンド。中東・北アフリカ(MENA)とアジア新興国の株式に投資するハイブリッド型の構成。
主な特徴:
- 中東単一ではなく、北アフリカや南アジアとの広域分散投資
- サウジアラビアやUAEのインフラ・小売・金融株も含まれる
- 高成長地域への分散でリスク分散効果あり
注目ポイント:
「MENA×アジア」というユニークな視点から、成長性と安定性のバランスを重視しているファンドです。中東の魅力を取り入れながらも、過度なリスクを避けたいという方に最適です。
■組み入れ上位5銘柄
銘柄 | 国 | 比率 |
---|---|---|
NATIONAL BANK OF KUWAIT | クウェート | 2.9% |
MOBILE TELECOMMUNICATIONS | クウェート | 2.9% |
MAROK TELECOM | モロッコ | 2.8% |
EMIRATES TELECOM CORP | アラブ首長国 | 2.3% |
FIRST GULF BANK | アラブ首長国 | 2.0% |
273A|SBI サウジアラビア株式上場投信(ETF)
概要:
東京証券取引所に上場されている、サウジアラビア株式に連動したETF。ティッカーコード「273A」で、SBIアセットマネジメントが運用。
主な特徴:
- サウジアラビアの株式市場(タダウル)に連動
- 主にエネルギー・銀行・通信株が中心
- 国内証券口座で手軽に売買可能、1株単位で購入可
注目ポイント:
このETFは、日中に自由に売買できる上場投資信託であり、機動的な投資戦略に適しています。特にサウジの主要上場企業(STC、Saudi Aramcoなど)に直接的に投資したい方におすすめです。
■組み入れ上位10銘柄
銘柄 | 業種 | 比率 |
---|---|---|
アルラジ銀行 | 銀行 | 8.7% |
サウジ・アラビアン・オイル | エネルギー | 6.9% |
サウジ・ナショナル・バンク | 銀行 | 4.9% |
サウジ・テレコム | 電気通信サービス | 3.4% |
サウジアラビアン・マイニング | 素材 | 3.3% |
サウジ・ベーシック・インダストリーズ | 素材 | 3.2% |
ACWAパワー | 銀行 | 3.1% |
リヤド・バンク | 公益事業 | 2.8% |
アルインマ・バンク | 銀行 | 2.7% |
サウジ・アワール・バンク | 銀行 | 2.4% |
中東投資のリスクと注意点

中東地域の投資には、以下のようなリスクも存在します。
- 地政学リスク:イスラエルとの衝突、イランとの緊張などの要因は価格に影響
- 為替リスク:ドル建て資産のため、円高になると評価損の可能性
- 市場の透明性:一部の企業情報開示が日本や米国と比べて少ない場合も
投資を行う際には、目論見書やファンドレポートを必ず確認しましょう。リスクを理解し、ポートフォリオの一部として中東投資を組み込むことが大切です。
まとめ|未来都市に投資するという発想
中東、とくにUAEやサウジアラビアは「脱石油」の次の時代に向けて、猛烈な勢いで変化しています。未来都市・観光立国・再エネ開発・ハイテク都市など、かつてない国家主導の成長戦略が進行中です。
これらの成長に早期から投資できるファンド・ETFは、長期的な視野で魅力的な選択肢です。今回紹介した3つの投資信託・ETFは、いずれも日本国内の証券口座から購入可能なので、初心者の方でも始めやすい点もポイントです。
「未来のドバイ」や「次世代のシリコンバレー」を目指す中東に、今こそ注目してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

当メディアはリンクフリーです。
SNSやブログでご紹介いただけると嬉しいです!
